コロナ禍における「自転車」の変化

自転車の製造から使用まで

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先日、新型コロナウイルスの感染者が2021年になってから大幅に増えてきたというニュースを見ました。検査の母数が増えた等の理由があるのでしょうが、やはり気が休まらない状況が続いています。今はまさに年末、忘年会、帰省シーズンが終わり、新年で新しいお仕事や学習などたくさんの挑戦が新しく始まる時期です。2回目の緊急事態宣言が発表されたこともあり、これまで以上に感染症対策を心掛ける必要がありますね。

2021年大学試験

さて、みなさんも実感されている通り、コロナウイルスによって生活習慣は大きく変化しました。その中でも、マスクや消毒液、ついたて、と、感染症に関する物を見かけることが多くなりましたよね。昔からあった物から新しく生まれた物まで様々です。
 

そして例に漏れず、自転車もそのひとつではないでしょうか。

コロナ禍と自転車

コロナウイルスが日常生活に暗い影を落とす中、三密にならない移動手段として、運動不足解消として、レクリエーションとして、自転車が果たした役割は大きいです。
 

さて……前回緊急事態宣言が解除されてから6ヶ月が経ち、自転車に乗る人がたくさん増えました。電動アシスト自転車やロードバイクで通勤、マウンテンバイクをカスタマイズして買い物用にするなど.....確かに増えたのですが、そのことが色々なところにどんな影響を与えたのか、みなさんはご存知でしょうか。

ロードバイクや電動アシスト自転車使用の増加

今回は、コロナ禍における「自転車」の変化についてお話しします。

自転車産業の今

今年に入り、自転車がとても売れるようになりました。前述の通り、三密状態のバスや満員電車を避けて自転車で通勤、通学したい人たちの需要が高まったからでしょう。
 

某自転車専門のチェーン店では、緊急事態宣言明けの6月、7月の売上高は去年の同じ月に比べて140%も伸びました。驚異的な伸び方と言っても過言ではないと思います。特に走行性の高い電動アシスト自転車、ロードバイク、クロースバイクの売切れや入荷待ちの状況も続出しています。

電動アシスト自転車の販売が好調

この頃の各報道は、この会社の盛況を受けて「自転車ブーム」と盛んにもてはやしていました。しかし、実際のところはどうでしょうか。
 

個人的な話ですが、私の知り合いの1人は自転車店に勤めています。彼曰く、緊急事態宣言明けの、他の業界が客不足で苦しんでいた時期でも、高価な自転車が1日に何十台も売れてお店は大忙しだったそうです。ですが、自転車業界全体はこの「ブーム」にうまく乗れたのでしょうか。今のエピソードは小売店に限った話です。では、自転車を生産する側はどうでしょう。

業界の事情、自転車メーカーだけが苦戦ではない

wimo同様な自転車車体のメーカー以外、日本の自転車パーツメーカーとして有名な会社もあります。釣り具のメーカーとしても有名で、品質の高い自転車パーツは日本だけでなく、世界中で販売されている自転車のほとんどに付けられています。多くのメーカーと同じく、高価な製品、パーツ以外の生産はマレーシアなどの海外工場で行なっています。マレーシアもコロナウイルスの影響を大きく受けた地域です。現地では日本と同じように3月から5月までロックダウンによる行動制限が敷かれていました。その影響で工場が止まってしまい、生産に影響を大きく受けました。
 

しかし、ロックダウンで生産が止まったかと思った途端に、日本の自転車ブームで急に注文数が増えたりと、状況は大きく上下して工場を揺さぶりました。工場がこの上下動にうまく着いていけているかというと……微妙なところがあります。

自転車製造の行方

国が違えば、生き方も考え方も全て違います。工場で働くマレーシアの人たちに日本式の残業を無理矢理させることはできず、現在の自転車パーツ市場は供給が間に合わず需要過多となってしまっています。台湾、中国本土の工場も実際にパンクしている状態で製造に注力していますが、それでも供給のバランスが取れない現状です。電動アシスト自転車はもちろんですが、普通自転車購入をお待ちしているお客様にも届くまではまだまだ時間がかかりそうです。
 

他にも、有名な家電メーカー製の電動アシストは「純日本製」を謳っていますがその実、組み立ては日本でもパーツ一点一点の生産は中国本当や台湾に発注しています。
 

コロナウイルスのせいでパーツが入ってこない今、有名なメーカーも決して少なくないダメージを負っているのです。とは言え、お客様にあう自転車車体、電動アシスト自転車、ロードバイク、マウンテンバイク、ママチャリなど、車種に差別付けず、車体のデザイン、生産、納品を一所懸命努力しているのが日本の各自転車メーカーです。

自転車通勤者が増えたことで

https://www.n-ssi.co.jp/news/post/1121

SBI日本少額短期保険株式会社は2020年10月7日、コロナ禍における自転車の利用がどう変化したのかアンケート調査を行いました。
 

1000人以上を対象に、自転車に乗るようになったかどうかを聞いたところ、30パーセント近い人たちが「自転車に乗る機会が増えた」「どちらかと言えば増えた」と回答しました。「乗る機会が減った」と答えた人は約20パーセントだったため、乗るようになった人の割合が大幅に上回る結果となりました。
 

さらに、利用が増えた人に理由を聞いたところ、意外なことに「運動不足解消のため」と答える人が1番多く、次いで「満員電車を避けるため」「近所で用事を済ませるため」と答えた人が多くなりました。

コロナウイルスをきっかけに自転車に乗り始めた人の多くが、外出自粛や在宅による健康面への影響と、人の集まるような場所に行かないために自転車に乗るようになった、ということがわかります。
 

では、アンケートに協力された人たちは自転車でどこに行っているのでしょうか。

電車通勤の代わりに、電動アシスト自転車COOZYで通勤

自転車利用の用途について調査したところ、「買い物や通院など近所の移動」という回答が1番多く、次に「通勤や通学」「健康増進やトレーニング」となりました。通勤、通学のために乗る人は全体の3割ほどですが、回答した人の約4分の1がコロナウイルスの影響を受けて、自転車通勤を始めたと答えました。
 

良いニュースのように聞こえますが、普段あまり自転車に乗らない人が、いきなり、しかも大勢が自転車に乗るようになったために起こる問題もあります。

自転車を乗る人が多すぎ?

朝方の都市部などが顕著なのですが、自転車に乗る人たちで溢れ、渋滞とまでは行かなくても結構混んでしまうことが多いのです。路上駐車している車を避けようとして車道の中央を走ったり(決して悪いことではありませんが)、横に広がるように並んで走る人もいたりして、車の邪魔になってしまいます。それを避けるために歩道を走る人も多く、歩行者にとっても、とても迷惑でしょう。
 

交通ルールの認知が自転車通勤、自転車通学者に広く行き渡るまで、しばらく時間がかかりそうです。自転車も車も歩行者も、同じ道路を往くものとして、うまく共存できるでしょうか。

自転車、歩行者、車の共存

コロナウイルスによって、個人の生活という小規模なものから、文化、経済活動、果ては世界情勢など、様々なものが急激に変化してきました。電動アシスト自転車を取り巻く状況も、世の中の変化の影響を多大に受けています。しかし、我慢や制限の多い生活を嘆くのではなく、新しい生活に合わせて新しい試みを実践していく人たちがいます。

前のように電車に乗れないなら、自転車で行こう。よりオシャレで高い走行性を求めるなら電動アシスト自転車でいこう。
そんな人たちの力になりたい、と私は思っています。

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