使用環境、背景に応じて適切な自転車を選ぶ必要があります。今回はオフロードでよく使われるマウンテンバイクと街中で使用されること電動アシスト自転車の特徴と違いは何なのか分かりやすく解説します。
■両者はまったく異なる自転車
マウンテンバイクと電動アシスト自転車は目的と機能が大きく異なります。
マウンテンバイクは山を走行するための自転車を指し、山岳や林道を高速・安全に走行できるのが特徴です。舗装路の走行もできますが、悪路走行に特化しているため快適性においてはロードバイクやクロスバイクに劣ります。
マウンテンバイクは価格が非常に高額で、高いものだと100万円くらいします。
そのため、悪路を走行する機会がないのであれば、購入するメリットはほとんどありません。
電動アシスト自転車は自転車に原動機が付いているのが特徴です。
それゆえ、原動機付自転車と混同されやすいですが、原付を運転するには運転免許がいります。電動アシスト自転車の位置付けは、自転車と原付の中間だと言えます。
自転車がほしいけど、上り坂を走行すること多いので漕ぐのが大変といった状況で役立つでしょう。
山道や林道でスポーツ走行をするなら
山道や林道を快適に走りたい人にとってマウンテンバイクは最適でしょう。
サスペンションが装備されており、路面からのショックをしっかりと吸収します。ハンドル幅が広いのも特徴で、腕が左右に引っ張られる感覚になります。
このポジションは路面からのショックを押さえつけるのに好都合です。マウンテンバイクの代表格はクロスカントリーで、全体的に軽量に仕上げられています。
自転車は車体が軽量であるほど、漕ぐ時の力を軽減できます。
逆にいえば、漕ぐ力が同じであれば、より速く疲れずに走れるわけです。
マウンテンバイクにはジャンプに特化したジャンプバイク、トライアル走行用のトライアルバイクなどもあります。
マウンテンバイクに関する別の記事はこちらをご覧ください。
マウンテンバイクは舗装路では乗りにくい
電動アシスト自転車やロードバイク、クロスバイクなどは舗装路、つまりオンロード用です。
これに対して、マウンテンバイクは悪路を走るオフロード用になります。
週末に山岳走行を楽しむといった人はマウンテンバイクが必要ですが、普段使いで乗るならば通常の自転車をおすすめします。
マウンテンバイクは価格が高額で、また車重が重たくなることから舗装路を速く走るのには向いていません。
ほかにも、ライトやスタンド、カギなどの基本装備がない、駐輪場に停められない場合がある、横幅が600mmを超える機種は歩道を走行できないなどのデメリットがあります。
600mm超の車両に関しては、走行できるのは車道のみです。
自転車の最大のデメリットが上り坂走行
自転車は下り坂を走行する時は快適ですが、上り坂では強い脚力を必要とします。
そのため、「行きは楽だけど帰りは大変」という状況が生まれるのです。
上り坂で自転車を押して移動するくらいなら、歩いたほうが楽でしょう。
そうした理由から自転車に乗らないという人は非常に多いのです。
電動アシスト自転車はこうしたデメリットを解消するために誕生しました。海外で生まれた自転車だと思われがちですが、実は誕生したのは日本だと言われています。
電動モーターが補助してくれるので、女性でも楽々と漕ぐことができます。
なお、原付と違って原動機に依存しておらず、自分で漕がなければモーターは機能しません。
電動アシスト自転車はこんな人に向いている
原付免許は16歳にならないと取得できませんが、電動アシスト自転車なら何歳でも乗れます。
漕ぐ時の負担は通常の自転車より圧倒的に軽いので、身体への負荷が小さくなります。そのため、疲労を抑えて楽に乗りたい、下半身の筋力がつきすぎるのを避けたい、といった人におすすめです。
維持費に関しては充電が必要なので通常の自転車より高くなりますが、充電のコストは小さなものです。
1回の充電にかかる費用は10円程度であり、街乗りで使用する程度であれば月に100円未満に抑えられます。
電動アシスト自転車にはデメリットもある
当然ながら電動モーターが付いている分だけ価格は高いです。安価な機種でも10万円を超えることが多く、高価な機種だと50万円以上になります。
充電における電気代は高くはありませんが、バッテリーには寿命があります。
リチウムバッテリーに関する詳しい記事はこちらをご覧ください。
早ければ3年くらいで寿命を迎え、交換すると3万円くらいかかると考えてください。
そのため平坦な道路をメインに走行する場合は、あえて通常の自転車を購入する人が少なくありません。
また長距離走行をする人、充電する頻度が少ない人などは、充電切れを起こす可能性があります。そうなれば電動モーターの補助がなくなるので、相当に重たい普通の自転車になってしまいます。もちろん電動アシスト自転車COOZYみたいな、バッテリー込みで18㎏台の自転車であれば、普通のママチャリと重さも変わらないくらいなので、万が一電池が切れても普通の自転車と同じような感覚で走れます。
そして、電動アシスト自転車は長距離走行には適していないことも言われていましたが、バッテリーの容量とよいシステムの組み合わせで、長距離走れる自転車も現れています。電動アシスト自転車COOZYの場合は、一回の充電でECOモードであれば、最長100kmも走れるため、安心して出かけることができ、更にバッテリーは僅か1.25kgの重さのため、予備用のものを持っていれば、200km先まで行けちゃいます。
短距離の通勤や通学、買い物用と割り切った電動アシスト自転車のイメージは、どんどん変わってきていますので、以前から迷われた方は一度最新の情報を確認する方がよいかもしれません。
電動アシスト機能のあるマウンテンバイク
オフロード走行を楽しめる電動アシスト自転車が一部にあります。
電動モーター搭載のため重量は重たくなりますが、ペダルを漕ぐ時の負荷は軽くなります。
そのため、オフロード走行を楽しみたい人に人気です。
ただし、街乗りや買い物などに使用する状況では不向きです。あくまでオフロード走行に特化しており、舗装路の快適性では通常の電動アシスト自転車やロードバイク、クロスバイクなどに劣ります。
また、バッテリーが切れると電動アシストを使えず、自力で漕ぐ必要がある点は通常の電動アシスト自転車と同様です。電動モーターなしの場合と比べて重量が増すので、走行時により強く漕ぐ必要があります。
電動マウンテンバイクを購入検討する場合は、自転車店、取り扱いショップにて試乗する上、決めてもらうのがよいかもしれません。
乗りやすさで比較をすると
マウンテンバイクのタイヤは凹凸が目立ち、これは悪路走行が前提だからです。車体は頑丈な作りになっているので重たいですが、だからこそ壊れにくいのです。
マウンテンバイクは通勤や通学で使われることは少なく、あくまでも趣味のバイクと言えるでしょう。価格もダントツで高額なので、市街地走行がメインという人は購入するメリットがほとんどないかもしれません。
電動アシスト自転車の場合は、近距離走行を快適にこなせるのが特徴です。
シティバイクやクロスバイクなどに電動モーターを付けたものと考えるとわかりやすいでしょう。そのため、舗装路の走行が楽で、特に上り坂を上がる時に威力を発揮します。
市街地などのオンロード走行をする分には、マウンテンバイクより電動アシスト自転車のほうが優れています。
本格的なスポーツ走行をするなら
スポーツを目的として自転車に乗るなら、マウンテンバイクはうってつけでしょう。車が通らない狭い山道では、走りに専念することができます。
電動アシスト自転車の場合は、スポーツ走行には向いていません。電動モーターによる補助があり、また漕ぐ力を最小限に抑えられるので、運動を目的に乗るなら不向きです。
ただ、バッテリーをセットしていない、または切れた状況であれば、通常の自転車の代用にできます。この場合は漕ぐ時の抵抗力が通常の自転車より強くなりますが、これは車重が重たいからです。そのため、下半身の筋力を鍛えたい状況では、この使い方が重宝します。
用途に応じて使い分けよう
マウンテンバイクと電動アシスト自転車は異なる目的・機能を有しています。
山道を速く快適に走るためにはマウンテンバイクが最適です。
シティバイクやクロスバイクをより快適に乗りたいという人には、電動アシスト自転車がおすすめです。
電動アシスト自転車はモーターによる補助を受けられる仕組みで、バッテリーを取り外せば普通の自転車として使用できます。
電動アシスト自転車は基本的に舗装路の走行を目的にしていますが、一部には電動アシスト機能が付いたマウンテンバイクがあります。こちらは山道走行を無理なく楽しみたい女性から人気です。
また、電動ミニベロなどデザインと走行性を重視した自転車もあります。街乗りで男女ともに人気上昇中です。
実際の使用環境、用途に合わせて自分に最適な自転車を選ぶ方がよいでしょう。
