基本的な自転車の速度の考え方
基本的に、自転車の速度は走った距離を時間で割って考えます。例えば、20kmの距離を1時間で走るには「20km÷1時間」で時速20kmが必要です。
目的地までの距離と、どのくらいの時間で到着したいのかを考えると、自身の自転車に必要な速度が求められます。通勤・通学などで20km先まで1時間で着きたい場合は、時速20km以上で走れる自転車が必要です。
自転車はシティサイクルやロードバイクなどさまざまな種類があり、それぞれ平均時速が異なります。次の項目で車種別の平均時速を紹介するので、自身に合う速度の自転車がどれなのかチェックしてみましょう。
いちばん速い自転車は「ロードバイク」
自転車の種類の中でいちばん速度が速いのはロードバイクです。普通に走行しても一定以上のスピードを維持でき、スピード感のある走りが楽しめます。
続いて速いのはクロスバイクやマウンテンバイクです。ロードバイクほどのスピードは出ないものの、心地よいスピードで走れるため、快適なサイクリングが楽しめるでしょう。
ママチャリやミニベロなどのシティサイクルは、人の多い街中の走行が前提です。シティサイクルは安全な速度で走ることを想定しているため、スピードを出す走行には向きません。
それぞれの車種別の平均時速と特徴を詳しく見ていきましょう。
ロードバイクの速さ:平均時速20~30km
ロードバイクの平均時速は20~30kmです。この速度は一般的な方が走行する際の速さです。自転車競技の選手や普段からスポーツ走行でサイクリングをしている方であれば、時速40km以上にもなります。
ロードバイクはドロップハンドルが採用されており、前傾姿勢で空気抵抗を減らすことで速く走行できるように設計されています。車体が重いとその分スピードが落ちるため、アルミやカーボンを用いて軽量に作られていることがほとんどです。
さらに、地面との摩擦が少ない細いタイヤによって、スムーズでスピード感のある走行を実現しています。
クロスバイクの速さ:平均時速18~25km
クロスバイクの平均時速は18~20kmです。ロードバイクよりもタイヤが太めなのに加え、スタンドなどの付属品も付くため車体は重めです。また、クロスバイクのハンドルは真っすぐなフラットバーハンドルを用いており、ドロップハンドルほど前傾姿勢にならない分、走行中の空気抵抗が生まれ時速が落ちます。
クロスバイクはロードバイクよりもスピードは劣りますが、実用面や安定面では優れています。快適なスピードも出るため、街乗りや通勤・通学にも使いやすい仕様です。
マウンテンバイクの速さ:平均時速18~25km
マウンテンバイクは舗装されていない道路や山道など、凹凸のある道を走るのに特化した作りです。凸凹道でも安定して走れるよう、ロードバイクやクロスバイクよりも車体を重くし、タイヤも太くなっています。
マウンテンバイクは平均時速18~25kmですが、車体重量やタイヤの太さがある分、速度を維持して走るのは難しい傾向です。ただしロードバイクやクロスバイクよりも路面の振動を受けずに走れるため、凸凹の多い道や山道などを適度なスピードで走りたい方はマウンテンバイクが適しています。
シティサイクルの速さ:平均時速12~20km
シティサイクルの平均時速は12~20kmです。シティサイクルは、ママチャリや街乗り仕様のミニベロなど街中の走行向けで、走行性よりも実用性を重視して作られておりスピード走行には向きません。
そして、買い物や通勤・通学、子どもの荷物などを乗せるカゴやキャリア、公道を走るのに必須のライト、ベルなど、街乗りに必要な付属品が多く車体は重めです。
しかし、シティサイクルはスピードを出しにくく片道5km程度の短距離仕様に作られているため、自転車への負荷が少なく、タイヤやブレーキが長持ちする傾向にあります。
電動アシスト自転車は速い?
電動アシスト自転車は街中を安全な速さで楽に走ることが目的のため、速度はシティサイクルと大きく変わりません。電動アシスト自転車の特徴も押さえておきましょう。
電動アシスト自転車の速度はシティサイクルと同じ
電動アシスト自転車は漕ぎ出しや坂道走行、スピード維持が楽ですが、走行速度はシティサイクルと同程度です。電動アシスト自転車は、買い物や子どもの送迎などに使うことを想定しているため、自転車自体はスピードの出る設計ではありません。
そもそも、軽い力で街中や坂道を走行できるようアシストするのが電動アシスト自転車の特徴です。楽に自転車を漕ぎたい方や、子どもを乗せて走る方、高齢者の方が乗るケースが多いため、シティサイクルと同程度の速度で作られています。
電動アシスト自転車は全て自力で漕がなくて良い分、シティサイクルと同じ速度で走っても体の疲れが少ないのが魅力です。シティサイクルは長時間走ると体への負担が増えがちですが、電動アシスト自転車なら長距離も快適に走れます。
電動アシストが効くのは時速24kmまで
電動アシスト自転車は普通に走行した場合、シティサイクルと同程度の速さが出ますが、速く走ったとしても速度は時速24kmまでしかアシストが効きません。これは、道路交通法で電動アシスト自転車のアシスト速度は時速24kmまでと定められているためです。
電動アシスト自転車で速く走ろうとしても、24kmを超えるとアシストが効かなくなり、自力で漕ぐことになります。
なお、電動アシストは速度が遅いときほどアシストが効き、時速24kmに近づくにつれてアシストが弱くなります。坂道をスムーズに走れるのは、平坦な道の速度から傾斜に変わった際にスピードが落ちたのを、電動アシストが検知して調整するためです。
そのため、電動自転車は速くても時速24kmが限度のため、ロードバイクのようなスピード走行はできないことを理解しておきましょう。
電動アシスト自転車の強みは「安全な速度」と「安定感」
電動アシスト自転車の強みは「安全な速度」で「安定感」のある走行ができることです。シティサイクルと大きく変わらない速度で、スピードを出しても時速24kmまでの制限があるため、街中を安全に走行できます。
また、電動アシスト自転車は荷物や子どもを乗せて走行するシーンを想定しており、シティサイクルよりも車体がかなり重く、重心も低めで安定感を重視した設計です。
時速24km程度であればサイクリングも楽しめますが、より速さや軽さを求める方は、本格的なスポーツ走行向きのロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクを選ぶと良いでしょう。
自分の自転車の速度が知りたいなら「サイクルコンピューター」を使おう
自転車の種別ごとの平均時速を紹介しましたが、自身の漕ぐ速さや地形などによっても速度は変わります。実際に自転車で走っているときの速度を正確に知りたい場合は「サイクルコンピューター」を使うのがおすすめです。
サイクルコンピューターとは、自転車の漕ぐ速度や走った距離などを計測できるもので、走行中に確認しやすいハンドル部分に設置して使用します。自身の走行速度や走行距離、走行時間などがリアルタイムで表示されるため、ペース配分の調節や走行距離を確認したいときなどに便利です。
そして、ただ走るよりも「坂道もペースを落とさず走ろう」「今日は30kmまで走ろう」など目標を立てて走れるメリットもあります。自身の自転車の速度を知りたい方はもちろん、走行を上達させたい方や目標を持って楽しく走りたい方にもおすすめのアイテムです。
【ロードバイク】速い自転車のおすすめ8選
軽量な車体でスピード感のあるスポーツ走行やサイクリングを楽しみたい方はロードバイクを選びましょう。初めてロードバイクに乗る方でも乗りやすい設計のモデルや本格ロードバイク、ライトやベルなどの付属品付きで街乗りにも使用しやすいモデルなど、おすすめ8選を紹介します。
- ROAD DISC 700C
- FESROAD
- RIDE 80
- SONOMA ADVENTURE
- RL3 DROP
- FALAD
- プレシジョンR
- ARAYA Federal
1.ROAD DISC 700C
ROAD DISC 700Cは、アルミフレームとクロモリフロントフォークで軽量な設計です。デュアルコントロールブレーキとシフトレバーで、ブレーキと変速がひとつのレバーで行えるので、走行中の手間になりません。ロードバイクを初めて選ぶ方に最適なアッセンブルで組み上げながら、お手頃価格なのも魅力です。
優れた制動力を持つディスクブレーキで、スピードを出したり路面が濡れていたりしてもしっかり止まれる安心設計。14段変速は前2速×後ろ7速で、アップダウンの激しい道にも対応します。おしゃれなブルーとレッドの2色展開です。
2.FESROAD
FESROADは、ロードバイクに多い25Cのタイヤよりもひと回り太い28Cタイヤを装備しており、抜群の安定感で安心して乗ることができます。フレームやフォークなど車体パーツの多くにアルミを使用した軽量設計です。ブレーキには制動力の高いダブルピボットキャリパーを採用しています。
バッテリーライトやペダル、ベル、リフレクタ、キックスタンドなど付属品が多く、初期コストを抑えられるのも魅力。14段変速で好みのペースを調節しながら、安定感のあるサイクリングが楽しめます。レッドとマットブラックの2色展開です。
3.RIDE 80
RIDE 80は、レーシングバイクで培われたアルミ加工技術を用いて、振動吸収性を高めたアルミフレームを採用。フロントフォークには上から下までカーボン製を使用することで、ブレーキの効きや安定性を高めています。
ハンドル位置が高い設計で、ロードバイクが初めての方でも乗り降りしやすい仕様です。前2速×後ろ8速の16段変速で、ロングライドからヒルクライムまで活躍します。総重量約9.7kgの軽量な車体で、日常使いから本格的なスポーツ走行も可能。ブラック、ブルー、レッドの3色展開で、滑らかに輝く光沢が美しいモデルです。
4.SONOMA ADVENTURE
SONOMA ADVENTUREは、日本人の体格や用途に合ったフレーム設計にこだわり、長距離のサイクリングやツーリングに最適な乗り心地を目指した一台です。太いタイヤを装備しているため、パンクにも強い仕様です。
ブレーキには雨で濡れた路面でもしっかり止まるディスクブレーキを採用し、ディスクローターにシマノ製センターロックを使用。スピードをコントロールしやすいのと同時に、高い制動力を実現しました。ベルやセンターキックスタンドに加え、スマートフォンホルダーも付属しています。
5.RL3 DROP
RL3 DROPは、コンポにシマノ・クラリスを採用している他、ブレーキやクランクなど細部のパーツまでシマノ製で統一しています。ハンドルはサブブレーキレバー付きで、ロードバイクが初めての方やドロップハンドルに慣れない方でも扱いやすい仕様です。
フロントフォークは上位モデルにも使われるフルカーボンフォークを装備しています。軽量で心地よい乗り心地ながら、ロードバイクの中ではお手頃価格なのもうれしいポイント。ライト、ベル、ペダルも標準装備のため、通勤・通学にも使いやすいモデルです。
6.FALAD
FALADは、ロードバイクながら街乗りに便利なペダルやキックスタンド、サブブレーキレバーを標準装備した、日常使用にも便利なモデルです。ボトルが付けられるボトルゲージ設置用のダボも付いています。振動を吸収する「フレクサー」をフレーム後輪部に使用しているため、快適な走行性も魅力です。
アルミを使用した車体は軽く、14段変速で自由な走行が可能。通勤・通学にも使いやすく、コスパも良いため初心者の方でも選びやすいロードバイクです。ツヤを抑えたブラック、ブルー、レッドの3色があります。
7.プレシジョンR
プレシジョンRは、運動不足の解消目的や、ロードバイクを始める方が気軽に楽しみやすい設計にこだわって作られています。前傾姿勢が楽にできるポジションを考え、フレームは直進安定性を重視した設計によって、乗りやすく、長時間の走行でも疲れを感じにくいのが特徴です。
ドロップハンドルには、ハンドル上部を握っていても操作可能な補助ブレーキレバーを採用しています。コンポーネントはシマノ製で統一されており、走行中のトラブルが起きにくいため、初めての方でも扱いやすいモデルです。フレームカラーにはベースカラーにアクセントカラーを加えた2色を使用。おしゃれなロードバイクを選びたい方にも注目の一台です。